ただ、キミの手を


次の日の放課後、第1会議室前。


「ここだな。」

隣で桐島くんが呟く。



ガラガラガラ。

戸を開けると部屋のなかにはもう20人くらいの生徒がいた。


文化祭実行委員会は、各クラス2人、各学年6クラス×3学年の36人。


今回は第1回だから大まかな説明、内容の確認をするのかな。




5分ほど経って全員が揃った。


「それでは全員が揃ったようなので、第1回文化祭実行委員会を始めます。」


真面目そうな3年生の男子生徒が始めの挨拶をする。



「それではまず最初に自己紹介から始めます。では3年生からいきますね。僕は――――」



しまった!! ここでも自己紹介があるのか!?
知らない人たくさんいるし、3年生の先輩方もいるし…………!




「――――では、1年生。」

自己紹介はクラス順にするらしい。
A組の生徒が立つ。



「1年A組、宮下 晴輝です。よろしくお願いします。」


誠実そうな雰囲気なのに堅苦しさを感じさせない、爽やかな男の子。


育ちが良さそうだな、とか思っていたら、もうB組が立ってる!


次じゃん。




いよいよC組。

まずは桐島くんが自己紹介をする。


「C組、桐島 駿です。よろしくお願いします。」


難なくクリア。
いや、あたりまえか。



そしてわたしの番。
隣で桐島くんが応援してくれてる。



「1年C組、芦川、柚花です。よろしくお願いします。」



い、言えたー!
ほっ、として席につく。


すると隣で桐島くんがVサイン。
うん、桐島くんのおかげだね。