“文化祭係決め”
“実行委員2人(男女各1名)”
「まずは早速、実行委員を決めたいと思います。」
「「えぇー」」
みんなが一斉に怠そうな声を上げる。
みんな、そうゆうのはやりたがらないんだよね。
もちろん、わたしもやらないんだけど。
「誰か立候補はいませんか?」
先生が問う。
「はい!」
右ななめ前の方の席に座ってる茉央ちゃんが、勢いよく手を上げた。
へぇ~、茉央ちゃんってこうゆうのやるタイプだったんだ。
知らなかったな。
「立候補じゃないですけど、柚花ちゃんを推薦しまーす!」
…………え?今、なんて?
頭が付いていかず戸惑っていると、
「じゃ、俺もやりまーす」
桐島くんが手を上げて立候補する。
「さんせーい」
「いいと思いまーす」
みんなが口々に賛成の声を上げる。
…………なんか、わたしで決定みたいな雰囲気になってる?
普通に無理だよ?
てか、茉央ちゃん!
なんで推薦なんかするの!
わたしがこうゆうの苦手なこと知ってるでしょ?
「てか、芦川さん声綺麗だし、発表とか向いてるんじゃない??」
クラスの女の子。
いやいやいや、無理だって。
見たでしょ、あの自己紹介。
発表する以前に、前にでるのも緊張するのに。
わたしなんかにできるわけないじゃん。
「芦川さん、どうですか?」
先生がわたしに問いかけ、視線がわたしに集まる。
答えはもちろん―――
「は、はい」
やっちゃったー
もう、わたしのバカー!
なんで“はい”なんて言っちゃったのー!?
無理だよー……!
できなくて後々迷惑かけるより、今断った方がいいでしょー!
茉央ちゃん!
あとでちゃんと説明してもらうからね!
「明日の放課後、さっそく委員会があるから、桐島と芦川さんは第1会議室に行ってね。」