教室に戻り、みんなが席に着いたところで大木先生が話し始める。
「今日からはもう2学期です。いつまでも夏休み気分でだらだらしないように。」
「「はーい」」
みんなが元気に声を合わせる。
わたしたちのクラス1-Cは、とっても仲がいい。
いつも明るい雰囲気に包まれてる。
元気すぎて怒られちゃうくらい。
その真ん中で笑ってるのは、いつでも茉央ちゃんだ。
茉央ちゃんには人を笑顔にする力がある。
わたしが1番好きな茉央ちゃんの魅力。
「2学期の行事といえば何かわかりますか?」
大木先生がみんなに問いかける。
何だろう、あんまり行事とか知らないな。
「文化祭!」
桐島くんが自信満々に答える。
―――桐島 駿(キリシマ シュン)
桐島くんは、入学式の日の自己紹介のあと話しかけてくれた、わたしにとって唯一の男の子の友達。
男子が苦手なわたしもついつい喋っちゃうような話しやすいラフな感じのやんちゃな子。
今みたいに積極的に発言したり、結構ムードメーカーかも。
茉央ちゃんみたいに桐島くんもかなりの人気者。
噂では部活でも活躍してるみたい。
桐島くんは1年にしてバスケ部のスタメン。
高身長に長い手足。凄く様になりそう。
いつかバスケしてるところ見てみたいな。
「桐島、正解!」
大木先生はそう言いながら、チョークを手に取る。
そして黒板に向かい何やら書き始める。