ただ、キミの手を


クラス替えなんかで毎回来る、この地獄の時間。




「あしかわゆずか、ちゃん?」


一通りみんなが自己紹介したあとで、後ろの席の女の子が話しかけてきた。



ぱっちり二重の大きな目、ほんのり赤いほっぺ、いかにも明るそうな女の子。



落ち着いて、落ち着いて……!



「うん、芦川 柚花……。」



ああー!!
よろしくとかひとこと言えばよかった!?



……ていうか、名前は??


自分の挨拶にショックうけてて、話しかけてくれたのに女の子の名前がわかんない!



「あたし、入山 茉央。よろしくね、柚花ちゃん。」



女の子は、わたしが困っているのに気づいたのか、自分の名前を言ってから微笑んだ。



「よ、よろしくね。」


愛想なかったかな。でも、頑張ったよね、うん。頑張った……!