数日後。

奈津は、いつも通り登校した。

下駄箱で靴を履き替える。

あかね「おっはよ〜奈津!」
いつもの明るさで奈津に寄る

奈津「あ。おはよう」
いつも通りに笑顔で挨拶をした。

教室に向かって歩く奈津とあかね。

あかねの背後から軽く肩をぶつけた長谷部

長谷部「おっはよ〜!」

あかね「お!今日もご機嫌だね〜」

長谷部「あたぼーよ!昨日、オカリナちゃんに会えたからなぁ」顔がにやけながら妄想しているようだ。

奈津「オカリナちゃん?って誰?」
奈津はあかねの耳元でコッソリ聞いた

あかね「あ〜2次元の世界の人。まぁ隠れオタクってやつ。」

奈津「なんか、いろんな趣味持ってんだね。長谷部は…」奈津は苦笑いをした。

あかね「そうなの。いろんな顔して変な趣味あるけど、面白くてあったかい奴だよ」
顔がにやけている。

奈津「ふ〜ん」羨ましそうに言った

あかね「あ!今日、英語の小テストだけど、ちゃんと勉強してきた?」長谷部を疑うかのように言った

長谷部「はぁ…!忘れてた!俺としたことが」
頭を抱えショックを受けている

長谷部「藤野さ〜ん。ちょっと教えて!」
手を合わせて頼み込んでいる

あかね「え〜?どうしよっかな〜。まだCアニメも返してくれてないし〜」長谷部から目を反らし口を尖らせている

長谷部「すぐ。返します!だからこの通り」

奈津「ぷっ。なんか子供みたい」あかねと長谷部のやり取りを聞きながら吹き出す。

高屋「全くだ」奈津の横でボヤくように言った

奈津と高屋は笑い合った

あかね「もう。しょうがないな。ちょっとだけだよ〜」

長谷部「おーサンキュー。助かります」
あかねにぺこぺこして、まるで甘えた犬のよう


あかねと長谷部は2人でふざけ話しながら歩いていく。2人の姿を見ながら奈津は心が温かくなっていた。まるであかねと長谷部がオシドリ夫婦のように見えたからだ。

高屋「あの2人仲良いよな」長谷部とあかねを見ながら微笑んだ

奈津は高屋の横顔をチラッと見てドキドキしていた。

奈津(私が高屋ともし恋人になったら…って。
あ〜!私何考えてんだ〜!)
顔が熱くなって、恥ずかしくなった。

高屋「水月?どした?」奈津の顔を覗き込む

奈津は顔を反らし「いや。別に…」苦笑いする

高屋「俺達も行こうぜ!」歩いていく

奈津も高屋の少し後ろを歩く

1つの授業が終わり休み時間になった時

恵里奈「高屋くん。今度の集会で私達英語スピーチするじゃない?」高屋の前にきて話しかけた。

高屋「あ〜。先生そーいやーそんな事言ってたっけ…?」

恵里奈「もうすぐ本番だし。スピーチの内容色々相談して、練習しましょうよ!」すごい嬉しそうに高屋の顔に近づく。

高屋「あーそうだな。いいよ」

あかね「やるね〜あのお嬢様」恵里奈の行動に関心している。

奈津は苦笑いしかできなかった。

奈津は恵里奈と目が合った。

恵里奈は勝ち誇った顔をして、自分の席に戻る


放課後、教室の皆が帰っていく

奈津も帰ろうとした。

「加賀澤さんと高屋くん。今日から練習だって〜。」
「いいなー。なんかあの2人お似合いだよね〜」

クラスメイト達がヒソヒソ話している。


それから毎日、高屋と恵里奈は英語スピーチに向けて言葉の編集や練習をしていた。

ある日の昼休み。

奈津とあかねは庭を歩いていた。

バルコニーで高屋と恵里奈がスピーチの練習をしながら話をしている。

あかね「あの2人。昼休みも練習してるんだ」

奈津は高屋と恵里奈が一緒にいるとこを見て、頬に涙がこぼれる。

くるっと向きを変え、走り出す。

あかね「奈津!?」
奈津を追いかけた。