「ヒメちゃんたら相変わらず冷たいですね…。
可愛い顔に似合わず辛辣~。」
呆れた笑いを浮かべる桜路。
実際に興味が無いもんは無いから、しょーがねぇだろ…。
自分で言うのもなんだが、俺はそこそこモテる…方なんだと思う。
原因は俺の容姿にあるわけで、俺はこの見た目が昔から大嫌いだった。
男の癖にぱっちりした目に、無駄に長いまつげ。
すっと通った鼻筋。作り物みてぇな高い鼻に、目の下にあるホクロ。
…色気あるとか言われても知らねぇし。
白い肌は余計に、赤く整った形の唇を強調する。
完全に女顔ってやつ。
言い寄ってくる女も、時には男も。
数え切れないほど居たが、そんな奴らが見てるのは俺の容姿だけで、性格を知っていくとすぐに離れていく。
綺麗だとか、かわいいだとか褒め言葉が褒め言葉に聞こえない。
それでも__
「ヒメ、可愛いよ。今日も綺麗!」
桜路から聞くこの言葉は、不思議と不快に思わない。
むしろ普段から忌々しくて仕方ないこの容姿にも、いいことあるじゃねぇかと思うほど。
「ーヒメ…ヒメってば!聞いてるー??
ひーめーみーやーくーーん。」
そんな考えに耽っていた時、桜路の呼ぶ声にハッとして意識を戻す。
つか、時間!!
「やっべ、俺そろそろ教室いくわ。
また後でな」

