-ヒメside-
予想外の行動に思考が停止する。
1ヶ月避けられ続けてやっと捕まえた。
もう離してやるもんかと思って必死で逃げ道を
塞いだ結果。
なんか色々とまずい状況になっている。
「アンタ何して…」
桜路に覆い被さった形から起き上がろうとする。
「いいからこのまま!」
強く抱きしめられる。
は?
待て待て、落ち着け。
勝手に盛り上がるなよ俺。
「…ごめん。でも今あたし着替えてた途中で…
くっついてないと、まずい。」
弱々しい声で桜路が話す。
あー、なんだそういうこと。
ちょっと前まで全く気にせず、俺の前でも着替えようとしたりしてませんでしたっけ?
そんなことを思いつつも、こっちも普通にかなりまずい。
近すぎだし、なんか甘い匂いするし…
何よりやらけーのが当たってんですケド…
え、なに、王子とか巷じゃ騒ぎ立てられちゃってる桜路さんて着痩せするタイプ??想像はるかに超えるボリュームが…とか興奮する気持ちを必死に抑える。
今まで散々苦しめられたし、待たされたし?
少しくらい許されるだろ。
「なぁ、桜路。」
「なに?」
「当たってる。」
「……〜〜〜ヒメのばか!!!!!」
デリカシーがないだの、変態だの散々言われたけどまあラッキー。
「いいから目つぶって退けて!」
「わかったよ。」
そう言いながら大人しく俺が従うワケもなく
…今日は水色の白レース。
しっかり確認完了。