「じゃ、今日のところはここまでで!
お疲れ様でした〜〜!」



放課後、部活が終わって帰路につく。


日が伸びたせいか辺りはまだ薄ら明るくて時間の感覚がおかしくなっているけどもう19時。


携帯を確認するとヒメとお母さんから
不在着信が1件ずつ。


ヒメを避けている事実に変わりはないけど、罪滅ぼしのつもりで連絡だけは普段通り取るようにしている。


メッセージではなく、着信って所に焦りを感じた。


このままでいる訳にはいかないって
分かってるけどなぁ…


ヒメにかけ直す気にはなれず、
お母さんにかけ直す。


ープルルルル


ープルルルル


数コールの呼び出しの後、只今電話に出ることができませんのアナウンス。


まぁ、家に帰れば分かるか。



▽△▽△▽△▽△▽△▽



「ただいまー」


家に到着。


けど、おかしい。
電気はついてないし、やけに静か。


よくよく見ると玄関にお母さん、お兄ちゃん
お父さんの靴もない。


ーっ!


見覚えのある某スポーツブランドのサンダル。


サイズからしてあたしの足よりも人周り大きい。


ヒメ…。


予期していない事態に鼓動が早くなる。


とりあえず、電気が点いていなかったリビングには誰もいないだろうと予想。


そーっと中の様子を伺いながらドアを開ける。


よし、誰もいない。