っていうか、屋上っていった??
珍しいな、ルカが屋上なんて。
普段休み時間などの空いた時間は、基本的に教室にいるか図書室にいるかの二択なのに。
まぁ、せっかく得た目撃情報だし…ね。
多少の疑問を抱きつつも、あたしの足は屋上へ向かう。
さっき彼が言ってた屋上に行くための廊下。
既にルカの姿は見当たらない。
ま、それもそうか。いつ頃見かけたのかは聞いてないし。
廊下を突き当たりまで進み、階段を上る。
「…俺マジでやばい。」
踊り場で足を止め、いざドアノブに手をかけた時、微かな誰かの話し声が耳に届く。
誰か…いる?
今はお昼休み。
屋上だって校内なんだし何もコソコソする必要はない。
けれど何故かそーっと静かにドアを開け、少しの隙間から外の様子を伺ったあたし。
そこには人影が1…2人。
あたしの探し求めてたルカと…ヒメの姿がそこにあった。
「…っ!? 」
ルカと、ヒメ。2人がこんな所で話をしていることにも驚いた。
けど、そんな事よりも何よりも___
"あの" ヒメが泣いている…??
遊園地の一件以来、極力お互い接触を避けてた。
あの時感じたヒメの表情に含まれた切なさの意味もわからないまま、あたしはヒメにどう接していいのか分からずにいた。