「なーんか…自分に言い聞かせるみたいになっちゃってたかなぁ。」
フェンスを掴む手に力が入り空を仰ぐ。
初めて彼に出会った時の事、今でもはっきりと覚えてる。
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小学校2年の夏、親の急な転勤で転校してきたあたし。
こんな中途半端な時期の転校生。
そして昔から、なんだかキツイ印象を与えるらしいこの容姿。
誰もあたしに寄って来ることはなかった。
___たった1人を除いては。
「ルカちゃん!あたし桜路 暁良!
仲良くしてね!」
満面の笑みで手を差し出してきた暁良。
「よ、よろしく。」
「ルカちゃんって猫ちゃんみたい!
すっごく可愛いね!!」
「…っ!」
猫みたい…は、よく言われる言葉。
だけど、決まってその後に続くのは 性格が悪そう とか 冷たそう、人を見下してそう そんなマイナスな言葉ばかり。
それをこの子は、今…可愛いって言った?
初めは圧倒されまくりだったけど、そんな暁良とはあっという間に打ち解け、気付けばクラスのみんなとも馴染んでた。
ある日の放課後、暁良のお家に初めて遊びに行くことになったあたし。
緊張しながらインターホンを鳴らす。
ピンポーン。
しばらくして
ガチャッ!
ドアが開いた。
「……。」
「……。」
だ、誰?
暁良のお家であってるんだよね、?ここ。
やばい、あたし間違えた!?
ひょこっと開いた玄関から顔を覗かせたのは見たことない子。
暁良も相当だけど、綺麗な顔…。
見た感じあたしより少し年下かな?
「あ、あの…暁良…の弟くん、とか?」
「っ!?」
バタンッ!!!
…何かいけない事をあたしは言ったの?
さっきの男の子は驚いた顔をしたままドタドタと家の中に走り去ってしまった。

