姫は王子で王子が姫で。




俺のグッズを地面に捨てて逃げるように退散していった悪ガキ共。


砂まみれになったヒーローベルトを拾い、親切に砂を払い落として渡してくれた目の前の女の子。


「はい、これ…かっこいいね!

あたし桜路 暁良。」


「ありがとう…おーじ?

僕は姫宮 夏樹。」


「そー!桜路!

…だから、みんなヒメって呼んでたんだね?

素敵な名前。あたし達、王子と姫だね!!」


そう無邪気に笑った桜路。


その顔は、中身のかっこよさとは正反対の可愛らしい女の子そのものだった。


その1件から桜路に俺が懐いたのは言うまでもない。


まさに金魚のフンの如し。毎日後ろをべったりくっついていた。


1つの年の差なんて関係ない。


桜路が小学校に入学しようが、中学校、高校と年を重ねようが俺達の繋がりが消えることはなかった。


徒歩3分の距離の互いの家。


どちらともなくアポなしに遊びに行っては、入り浸る。


家族ぐるみの長い付き合い。



そして、月日は流れ俺は高校へ入学。



進学先はもちろん桜路と同じ高校。


桜路が居るからということを除いても、俺の学力で通える丁度いい進学先だったのだ。