「しゃーねぇから、今は王子の護衛、姫が直々におこなって差し上げますよ~」
「平気…」
「ほら、掴まってろ。」
あたしの強がりを遮って腕を差し出してくるヒメ。
癪だけど、、あたしが自分から怖いって言えないのを見越しての、ヒメの優しさに今は縋るしかない。
まぁ、この状況作ったのもヒメだけどね!!
「なぁ、なんか聞こえね?」
「ちょっと、ヒメ、いい加減に…っ!」
「いや、マジで。」
さっきとは違う真剣な声色にあたりに耳を澄ます。
____ピッ…ピッ…ピッ
遠くから微かに聞こえる規則的な音。
これって___
「「…心電図……?」」
そういえば廃病院がモチーフってさっき言ってたっけ。
「ありがちな演出だな〜」
完璧にビビってるあたしと対照的に淡々とした様子のヒメ。
なんか、すごく嫌な予感がする。
自然とヒメの腕に捕まる手に力が入る。
「進まねぇと出れねぇぞ。」
ヒメはそんなあたしを引きずるように引っ張ってく。
____ピッ………ピッ………ピッ…………ピッ…………
あれ…?音、近づいてきてない??
それに__
「音、間隔広がってる…」
あたしが弱々しく声を出すとほぼ同時に
____ピーーーーーーー。
手術中の赤いランプの付いた部屋を通り過ぎる。
長い廊下のような場所を進んでいたあたし達。
バンッ!!!
さっき通り過ぎてきたハズの後ろの手術室の扉が突然音を立てて開いた。
ゆらり、と中から何かが出てくる。
薄暗い照明に照らされる人影。手術着のような服の下から覗く手足の異常な白さ。

