姫は王子で王子が姫で。



-桜路side-



ガタン、ガタン。


電車に揺られること10分。



目的の遊園地近くの駅まではあと3駅ほど。



この辺じゃ少し大きめな、あたし達の家からの最寄り駅。



ましてや休日…GWの午前中。



電車が混まないはずがない。



普段は平気なのに今日は、160後半の背丈のあたしでも流石に埋もれるくらい車両は苦しい。



でも、埋もれてるけど潰されてないのは目の前のプルプルしてるコイツのおかげ。



ヒメは車両に乗り込むと、スッとあたしをドア側に寄せてスペースを確保してくれた。



いつの間にこんな気遣いができるようになったのか。笑



昔から口の悪さや天の邪鬼な態度とは裏腹に、人を思いやる優しさが人一倍あるヒメ。



成長したなぁなんてほっこりした気分に浸る。



でも、そろそろ限界かな?



ヒメも一応男の子。あたしとの身長差は7cmある。



でも…チワワか?ってくらい震えながら人口の圧を1人で耐えてる。



もっとこっちよればいいのに…。



そう口に出すより先に手が動いていた。



チワワ…もといヒメの吊革をつかんでいなかった方の手をグッとあたしの方に寄せる。



「ぷっ…何その顔。ウケる。」



すると、チワワちゃん。



よっぽどビックリしたのかクエスチョンマークを浮かべたままの顔で硬直してる様子。


可笑しくてたまらない。



「少しは体制楽になった?」



「……おかげさまで。」



今度は煮えきらないようななんだか複雑そうな顔。百面相なの?おもしろ。




電車が傾き揺れる度、ものすごく体が密着してふわっとヒメのあたしが大好きな香りが鼻を掠める。



こんな近い距離だって安心できちゃうからすごい。