「んでんで、最近の王子はすんっごいの!!

色気っていうか、憂いげな表情しててもうその一角だけ別世界!?って感じ!」



あー、これ女子の間で噂になってるよなぁ…。



多分考え事かなんかがあるんだろ桜路。



そんで俺に何も言ってこないって事は、俺に関係するなんか。



「はぁ、もうホントかっこいい。何なのあの人…知れば知るほど沼にハマる。

あの見た目と性格のイケメンさに対して、中身の女の子らしい部分の比率が最高。

ギャップ萌えしかない。」



もうこいつ黙んないかな??



「ったく、紫羽そのへんにしといてやれ。

そろそろヒメのキャパ超えるぞ~。」



ヤバい救世主現れた。



紫羽に忠告したのは純平様々。マジ感謝愛してる。



「はーい…。」



ちぇっと呟きながらも紫羽のマシンガントークは終了した。



紫羽は純平に対して聞き分けが非常によろしい。


「つか、ヒメのこと呼んでる。」



ん、と教室後方のドアを指さす純平。



そこには…



「おっ、やほやほヒメちゃん!」



ルカちゃんだ。



「おすおす、ルカちゃん先輩どーしたの?」



ルカちゃんがわざわざ教室に1人で来んのはかなり珍しいこと。


別に俺に用件があっても桜路経由で済むことだから。



「ヒメちゃん!よくやったよアンタはえらい!!」


いきなり肩をがっしり掴まれ激しく揺さぶられる。