その言葉が躊躇いなく発っせられるたび、心が軋む。
俺のことを恋愛対象として見てないって断言されてるようで。
「じゃあおばさん、ご馳走様でした。
そろそろ帰りますね!」
夕食を食べ終えひと段落したところで、桜路が切り出した。
「いいのよそんなかしこまらなくって!
夏樹が昔から迷惑かけっぱなしだから…こんなことしか出来ないけど、これからもこのバカをよろしくね。
ほら、夏樹。暁良ちゃん送ってらっしゃい。」
「言われなくても…!!」
すぐそこだからいいと遠慮する桜路だったが、強引について行き玄関を出ると大人しく観念した。
「わ、見てヒメ。星綺麗…。
明日はきっとピッカピカに晴れるね。」
家を出るなり口を開く桜路。
たしかに星空は綺麗だ。
でもそれよりも、コイツの星を写して大きな目を輝かせる姿や心が純粋そのもので…。
なによりも綺麗だと思った。
「なぁ、桜路…。」
「なに?ヒメ。」
「俺頑張るわ。」
「どうしたの急に。」
主語のない俺の頑張る宣言に目を細めやわらかく笑う桜路。

