吸血鬼と少女と暴走族






夏休みもあと少しで終わろうとしていた



暑さも少し和らいだ気がする



気がするだけであって、暑いのには変わりないけど



9月はひなこの誕生日がある



だから、今日は一人で誕生日プレゼントを買いに来た




大きいぬいぐるみが欲しいって言ってたっけ?




ぬいぐるみが売ってありそうな店を、順番に回ることにした



...中々いいのがない



あ!あれがいい!



目の前にあったのは、抱きかかえられるぐらいの大きい兎のぬいぐるみ



クマも可愛いけど、兎の飼育員をやり始めてから、ひなこは何かと兎がいいと言い出した




さっそくレジに持って行ってラッピングをしてもらう






店内で待っていてほしいと言われ、他の物を見ていると、視界の端に見覚えのある姿が映った




「...翔馬?」




いつもと同じ長袖に、隣には綺麗な女の人




でも、前に見た時と違う気が...




それに、危ない気配がする



何か覚悟を決めてるような



そんな雰囲気をまとった女性と歩く翔馬は、笑っているけど

楽しいから笑ってるんじゃなくて、笑わないといけないから笑ってるような、無理をした笑顔だった