そして、顔を向けられないけど、

大魔王様がいつも座っているであろう、この部屋で一番立派な椅子からは、どす黒い視線が...。





み、見れない。




「空と海。下にいる子たちがバイクの修理手伝って欲しいって言ってたよ?

ひなちゃん、おやつ食べる?」



...っ天の声!!




天の声が聞こえた後、ぶつぶつ言いながら、空と海は腕を離し、渋々下に向かって

ひなこも膝の上から離れて、大人しく座った




「...ありがとう」




「いえいえ。

人気者は、大変だね」



天の声は翔馬の声


今日は一段と暑いのに、長袖のを着てるのに汗1つかいていない



「...翔馬って本当に人間?」





あたしの向かいのソファーに足を組んで座りながら、冷えた麦茶を飲んでる翔馬が、驚いた





「...っく。俺、人間に見えないの?」



喉を鳴らしてクツクツ笑う翔馬




「人間に見えるけど、吸血鬼のあたしがこんなに涼しい格好してるのに、長袖着て汗かいてないし」





「寒がりだけど、暑いのは絶えられるんだよね」


そういいながら優雅にお茶を飲む翔馬