「僕たちは、あなたを許せない。」
海が静かに話し始めた
「母親って何だろうって、ずっと怖いことばかり思い出していた
...でも、この間ケーキを食べて、少しだけ思い出したことがあった」
「...うん。僕も思った」
海と空が、顔を合わせて
さすが双子だねってくすっと笑う
「あんたは、誕生日のたびに、あのケーキを作って僕たちに言った」
「「生まれてきてくれて、ありがとうって」」
一言も逃すまいと一生懸命耳を傾ける岬さん
「それを思い出した。
...愛されてないわけじゃなかったんだって思えた」
「...愛していたわ。
それなのに、未熟なばかりに二人には辛い思いばかりさせて」
机に置かれた、岬さんの手を、海と空がそっと手を重ねる
「「あなたにされたことを消すことはできないけど、
...これから新しい思い出を作りたい」」


