「うわぁ…!今日からここに通うのか…なんだか実感わかないな…」
「美希ったら〜、ここまできて実感わかないとか言わないのっ。ほらほら、行くよっ!」
私は友達の結衣に手を引っ張られながらも空の彼方まで続いていきそうな校舎を見ながら、ぽーっとした感じで歩いていた。ふわふわした気持ちで。
すると…
「ドンっ」
「…」
「わぁぁぁ、す、すいませんっ」
「美希、大丈夫!?」
「…」
「おい、ちゃんと前を見て歩け。」
「は、はい…」
私は、2つ上の先輩にぶつかってしまったのだ。
「あ〜美希ったら、しょっぱなやらかしちゃったね」
「だ、だって、この校舎すご…」
「はいはい、言い訳はしなーい」
「んもー、結衣ちゃんったらぁ」
この出来事が、私のこれからの高校生活を変えていくなんて思ってもいなかった。
