恋愛日記

そして放課後

「神多」
『は、はい。』

あたしって意外とびびりだから、顔上げられないの。

「今回は多めに見てやる、いつもみたいに寝てないしな?」
『ははっ、』
「今回が初めてだけだからな?次もこんな事があったら成績に赤点付けるぞ」
『え!?そんな、先生、それだけはなんとか…』
「ははっ、分かってる」

成績に赤点が付いたらたまったもんじゃないよ!
留年なんて死んでもいや!!

『ありがとうございます、それで今日は何をすればいいんですか?』
「あ、そうそう、今日はこのプリント類を資料室に運ぶだけでいい」
『それだけですか?』

いつもならボランティアだ!!とか叫んで廊下の雑巾がけやらされたのに。

「なんだ?もっとしたいのか?」
『い!?いや、全然そんな全くそれではいってきます!』

大量の資料を抱えて颯爽と職員室を出る。

いや、にしても…重い!多い!ギリギリ前が見えない!

『はぁ。どうしてあたしがこんな目に…』

ギリギリ前が見えない状態だから横を見るしかなかった、そしてあたしは前に気付かないままあるいた。

ドンッ

『いでっ!』
「いった!」

ほぼ同時に発した。

『あー、ごめん大丈夫?』
「ああ。」

ネクタイを見ると赤と白のラインだったから同い年か。
この学校の学年はネクタイとリボンの色で学年別されていて、青と白のラインは一年、赤と白のラインは二年、赤青白の三色のラインが混ざってるのが三年。

個人的に三年のリボンが制服似合っていて可愛い。

大丈夫?とだけ聞いて、相手も大丈夫って言ったんだから大丈夫でしょう、あたしは黙々と散らばったプリントを拾った。

「お前さ。」
『んぁ?』