――――数時間前。

『はい、どうぞ』

ありがとうです、小さく言葉を返し先生の手からコーヒーの入ったカップを受けとった。

私にカップを渡すと、先生は自分のカップを片手に、再び机を前にイスに腰掛ける。



そしてまた…



静かな空気が二人っきりの部屋の空間に流れ出す―……

先生は机に目を向け、カリカリとペンを動かし、自分の世界へと入る。


初めは苦手だった この空気

息が詰まり 居心地が悪かった


でも…

今はそうでもナイ
別に嫌いでもないし むしろ好きに近いのかもしれない

穏やかな空気が 心地よい

先生と二人の空間が 胸をトキめかせる…

先生の姿を静かに見つめる

誰にも邪魔されない

口を挟まれない


心が 惹かれる …――