背中から先生の熱が伝わって、混乱している頭が現実に戻される。

先生の腕に包まれ

先生の熱を感じ

先生の心臓の音を間近で聞く


わたしは息をつくのも忘れ、ただただこの状態を理解しようとするのに必死だった。




確かに感じる先生の感触が、これが夢でも嘘でもないことを実感させる。

ボーっと立ち尽くしたまま、先生の言葉をまった。

回される腕に手を重ねることなく、わたしの腕は今だ下におりたまま動かないでいた。


先生の理解出来ない行動を前に不安な気持ちをいだく反面、どこかで嬉しさを感じる自分がいた。

たぶんどちらかといえば嬉しさのほうが勝っているだろう。

その証拠に今まわされていること腕と温もりを離そうなんて考える自分はどこにもいない…