先生は手を伸ばし、 「廊下は寒いですから……―どうぞ、」 招くように手をひく先生は、やっぱりどこか不思議な人のように思えた。 「…ありがとうごさいます、」 私は頭をぺこりと下げ、中へと進んでいく。 先生が断らないのを知っていた… 知ってて来た そのときばかりは少し…罪悪感があった でも… 後悔はなかった。