しまった、すっかり夜になってしまった。
あのユンメイが私なんかを心配するわけがないとわかっていながら観光気分に浸ってしまう。
歯車をもしたアクセサリーはフリタニアでは人気でついつい買いすぎてしまった。ちなみにお金はニャインシュタイン博士から頂いていた。
まだ、余っている。
結局お姉ちゃんには会えなかったし、いい情報はなかった。
後で合流した博士から聞いたらアトランティスはフリタニアだけではないと聞いたので次の国に行くために余った分は残しておこうと思った。

そして私達は博士が用意してくれた…というか博士が昔住んでいた屋敷に泊まることにした。ユンメイにも事前に場所を知らせたのでもう帰っていると思う。きっと怒られるんだろうなと思いながらガチャっとドアを開けた。
長らく使ってないからか少し埃っぽい臭いが鼻をかすめた。
「お邪魔します…ユンメイ帰ってるー？」
ホールに私の声がこだました。返事は返ってこない。
あのユンメイが私の声を逃すはずはないんだと思うのだが。
「帰ってないのでしょうか」
カリーナさんが隣に来る。…と同時に睨むような視線が左から感じた。誰かは察した。
「うーん、ユンメイって割と時間守るからさ、7時には戻ってると思うんだけど」
「うむ、別の部屋にいる可能性もあるのではないか？」
「かも…」
私達はくまなく屋敷を探してみた。


結果は見つからなかった。
「いないな」
「なんか心配になってきちゃった…」
「まぁ、待ってりゃ来るって」
あのユーグさんまでもが慰めてくれてる。嫌われてると思ってたからびっくりした。
私がしょげていたその時だった。

蒼に染まっていた空が、紅く光ったのだ。
瞬時、
その場で花火が弾けたような爆発音が耳をつんざいた。
私達は慌てて耳を塞いだ。
「なんだ！！！爆発か！！！！！！」
博士は窓を全開にした。
爆心地は、街の中心。つまりお城であった。
白亜の城が燃えている。
私に不安がよぎった。
ユンメイが、あそこにいたらどうしようという不安である。
「私っあそこに向かいます！！！！」
誰もが制止した。だが私はそれを振り切って街の中心に向かったのだった。

「…革命だな。」
「革命ですか…？」
「王の無慈悲で不条理な方針に腹を立てた住人も少なからずは居たわけだ。それを私は知っていた。その状況は常々彼から聞いていたのだが。」
「彼って、彼奴か？まだ連絡とってんのかよ…」
「彼女を止めたが、彼女の意思はもう誰にも止められないな…」
カールがいなくなった屋敷で3人は話した。その時静かに屋敷の扉が開いた。
「…待っていたぞ。
アヒュージよ。」