ひとりで悠々と空を飛ぶ。
そういやちゃんとしたひとり行動は初めてではないのかと考えてみる。
自由!とは思うが今回のひとり行動というのは直感的にまずそうだと思ったからでただ、ひとりになりたいわけではなかった。

「こんなのが飛んでても気にしないのだな…フリタニアのものたちは…」
ぐるりと見渡す。
西洋風な街なのに比較的歩くものはロボットばかりでその異様な光景に戸惑う。
発展は人間よりもしているのだろうか。ロボットには表情があり、ココロがあるみたいに見えた。
「あら、珍しい。貴方、ドラゴンかしら?」
唐突に呼び止められる。
角がある。亜人か獣人のややふくよかな女性だった。
「そうだが、どうかしたのか?」
「外からのお客様は珍しいのよ!ようこそフリタニアへ!」
女性は…というか迷惑になりそうだがこの場ではおばちゃんと呼ぼう。おばちゃんがぱっと腕を広げ笑う。
「見ての通りフリタニアは機械の人間が8割を占めてるのよ。私達みたいな亜人や獣人はあまりいないのよね。しかも貴方はドラゴン!ドラゴンはフリタニアでは崇められてるのよ〜」
なるほど。至るところにドラゴンモチーフの何かがあるわけだ。
「しかしだな、我火は吹けぬのだ。すまないな。まぁ我自体は誉れ高きドラゴンだとは思っているのだが。」
「あら、そうなの?面白いドラゴンもいるのね!そうそう、貴方外から来たならフリタニアのこと教えてあげるわ!」
おばちゃんがわくわくとする。こちらもまぁありがたいことだと思った。


話は長かったが一言一句間違えずに頭に叩き込んだ。
まずフリタニアは国王アーサーが治めている。
姿はあまり見れないらしいが金髪碧眼、まるで人形のような美しさを持っているホムンクルスらしい。
そしてその直属の部下、円卓の騎士と呼ばれるランスロット、ガウェイン、パーシヴァルの3人がいる。ランスロットは皆見たことがないという。祭典にも毎年欠席しているらしい。
最後に聖剣の存在。名をエクスカリバーといった。それをアーサーや円卓の騎士が探しているらしい。それは遺跡にあるのがわかってはいるが導くものの存在がまだ見つかっていないらしい。
それが、ドラゴンだった。
おばちゃんから狙われないようにと言われた。
そんなわけはない。ああそうだ。

「アッ」
誰かとぶつかってしまった。考え事をしてしまったからか

「すまないな。」
「…た…みつ…」
白髪の青年はそう言う。何を言ってるのかはわからない
「みつ…けた!!!」
がっと捕まえられる。
なんのことかはわからなかった。そのまま我はどこかに連れていかれてしまった。