ここは西洋を模した国。正確に言えば都市なのかもしれない。規模があまりにも小さいからだ。しかしそこに住むものは皆口々にここは国だと言う。おかしなやつだとは思うが慣れてしまった。
今日は会議だ。あの我が儘王様の顔を見なくてはいけない。面倒だとあくびを一つする。
「しっかし王は理由もなく会議を開きますね。前だって至急の会議で集まったら案件がさみしかった慰めろだったから…はぁそこらのメイドさんや執事がいるだろって話ですよまったく…」
隣でパーシヴァルがため息と愚痴をこぼす。
「それで主催者どこなんすかね?」
キョロキョロと長い耳をぴこぴことさせながらガウェインが左右に首を降る。
たしかに主催者でありこの国を治める王アーサーがいない。
パーシヴァルは愚痴を続けガウェインはずっとキョロキョロしている。
「…ランスロット。貴方はたしかアーサー王のお墨付きではありませんでした?」
パーシヴァルが俺の目を見る。
「お墨付きになった覚えがない。なぁフォルバグ」
机で突っ伏しているフォルバグに話しかける。フォルバグはきゅうと鳴いた。
「それも王から貰ったナニかなんすよね???羨ましいなぁ」
ガウェインがぷうっと頬を膨らませる。
フォルバグ。俺自身よくはわからないがそいつはやけに懐いている。ケセランパサランみたいな感じのやつ。まぁ電脳都市と呼ばれているアーサー王の区画だ。バグの一種なんだろう。

そのときバタッとでかい扉が開く。
「諸君待たせたな!!!」
主催者のおでましのようだ。
「今回の会議の案件はだな!!!これだ!!!」
アーサー王は手元のリモコンを押すとプロジェクターが作動しモニターに何かが映った。
「王これは何でしょう」
「アトランティスの鍵だ!!!」
「どうあがいてもそこら辺飛んでる幼生のドラゴンにしか」
「違うんだなランスロット!これはだなアトランティスの鍵だ…」
「いや聞いたし。早く何が鍵なのか理由」
「わかっている!せっかちだな!!!!次にこれを!!これはあの遺跡で見つかった文字なんだけどねこのドラゴンと良く似ていないか!」
「たしかに似てるっすね!」
「だろう!で、頼みたいのは…
このドラゴンの確保だ!!!最初に捕まえたものにはそうだな……そのドラゴンが示すエクスカリバーを引き抜く権利をあげよう!」
全員ががたっと立ち上がる。
エクスカリバー。聖剣だ。遺跡にはそのエクスカリバーが眠る場所をドラゴンが教えてくれるようだがそのドラゴンが見つかった。
…そうかこれに勝てれば…
師匠に…師匠に……