わたしの旦那様は、たまの休みだというのに、難しい顔をして書類と睨めっこをしている。

小柄で童顔ということもあって、怒ったような顔はあまり似合わない。

わたしはトレイを持ったまま驚かそうと忍び足で旦那様に近づいた。

旦那様のびっくりした顔が、わたしは密かに大好きなのだ。

頭の中で、旦那様のびっくり顔を思い浮かべて、あたしはふふと笑う。

この声に気付いたのか、旦那様はがばりと書類から顔をあげた。




しまった、と思った時にはもう遅い。

旦那様はわたしを見つけ、どうしたのと子供のように首を傾げた。