「ごめん」

目の前の『男』が頭を下げて言う

「騙したつもりはない」

「本当にご……」

「そんなこと絶対思ってない!
 いつもいつも私を騙して遊んで面白がってたんでしょ!?」



辛い

悲しい

憎い

憎い

憎い


私の心は黒い感情に変わっていく



「違う!そんな事思ってない!」

「まだ否定するの!?
 あんたなんか、私の視界から消えろっ」


たった一つの言葉を残してその場を私は走り去った

無我夢中で涙で顔がぐしゃぐしゃのまま



ひたすらに走り続けた―――――