「待って!…何かの縁って事で今度から暇な時ここに来なさい。どうせいつも1人なんでしょ?私のことは千代って呼んでいいから。」
と突然千代子ちゃんがあたしの制服をぐいっと引っ張った。
あまりにも予想外のことで、上手く言葉が出ない。
「いや、でも…。」
とは言いつつも、とげどげしく聞こえる千代子ちゃんの言葉はなんだか暖かみがあって少し嬉しい。
いや、でも、この2人の邪魔をしていいのかな…。
なんてことをうじうじと悩んでいると
「来なよ!!俺のことはサクでいいからさ!」
とシュウ君が眩しいくらいの笑顔で言った。
「わ、分かった。」
押しに負けたような感じで、私はこの日からよく屋上に来るようになった。
千代ちゃんは少しツンケンしているところがあるけど、でもすごく優しくて、笑顔が可愛くて、私からしたら普通の女の子。
サク君はいつも笑顔であたしを元気づけてくれる。噂通り運動バカだけど、女子がサク君に惹かれる気持ちが少しわかる気がする。
そんな2人との時間は私のかけがえのない、心が温まる最高の時間だ。
「これからもよろしくね。サク君、千代ちゃん^^」



