「…苺花、ちょっとこっちで話さないか?」



花火が始まった頃、サク君は少し人気のない場所へと私を連れ出した。



「…ここ、懐かしい。」



その場所は、8年前の夏祭り、私がサク君に助けられた場所。



「あの時はまだ自分の気持ちに気づけてなかった。いっぱい傷つけてごめんな?」



サク君はそう言って、私の頬にそっと触れた。



「ふふ。あの時は本当に傷つけられたよ〜。でも、私、サク君を好きになって良かった。サク君とこれからもずーっと一緒にいられますように。」



私はそう言って、ネックレスに祈った。



これからもずっとずっと皆とこうして楽しく一気にいられますようにって。



「苺花。」



サク君に名前を呼ばれ、顔を上げるとサク君は何か箱のような物を私に差し出した。



「…これって…。」



「苺花、俺とずっとずっと一緒にいて欲しい。
結婚してください!!」



箱を開けると、そこには小さく輝く指輪が入っていた。



「…綺麗。」



「「…で、返事は??」」