「な、なんで泉舞がここにいるのよ?!」
私が帰ってきたのはお昼過ぎ。
それからまだ少ししかたっていない。
「あーあー。綺麗な顔が涙と鼻水でぐちゃぐちゃだなぁ。」
私が驚いてきょとんとしてると、泉舞は笑いながらそう言った。
「…?」
横にある鏡をふとみると、髪はぼさぼさで、顔は涙と鼻水だらけの自分が映っていた。
「…なっ!///」
急いでティッシュでごしごしと拭く。
泉舞はそんな私をよそに
「…そんなことよりどうするつもりだ?…苺花に話さなくてもいいのか?」
と急に話を切り出した。
「…!…苺花に全部話すって…そんなの無理よ…。」
苺花に全部話すってことは、わたしが秋弥の愛人なのかもしれないってことまで言わなきゃいけない…。
「…さっきサクと苺花に話を聞かれたんだろ?」
「…なんでそれを…。」
「だいたいの状況は把握してるつもりだが…?」
泉舞はそう言って不敵な笑みを浮かべた。
…そうだ。
苺花には聞かれてるのか。
もしかしたら、もう嫌われてるかもしれない。
…それならいっそ、全部話しちゃえばいいのかしらね…。
そう思うと、また涙がポロポロと溢れてきた。
「…はぁ。悪いのはお前じゃない!!」
……?!
「悪いのはお前じゃなくてあの担任だろ!…それにあの苺花が簡単にお前から離れてくと思うか?寧ろ頼んでも離れていかないと思うのだが?」
泉舞は私を励まそうとしてくれてるのだろうか。
沈黙を切り裂くように、力強い大声でそう言った。
滅多に大声を出さない泉舞が、私の為にこんな大声を出すと思わなかったからすごく驚いた。
それに声の持ち主とは思えないほど、優しい手つきで頭を撫でてくれた。
「…そうだよね。…苺花はきっと離れていかない。」
頭に苺花の笑顔が浮かぶ。
「苺花に…会いたい。」
苺花に会って、またあの笑顔を見たい。
「……苺花と話したい!」
苺花に全てを話して、頑張ったねって言ってもらいたい。
「それなら、苺花に会わないとなとな。」
泉舞はそう言って珍しく、にっと笑った。



