泉舞の所へ戻る途中、苺花とサクらしき人影を見かけた気がした。
でも、見られたとか見られてないとか、今はそんなことより、秋弥が…。
悲しくて、胸が痛くてしょうがなかった…。
「どうだった…!」
泉舞の所へ戻ると、、泉舞は驚いた顔で私を見ていた。
「千代でも泣くんだな。」
泉舞にそう言われ、頬に触れると、涙で頬が濡れていることに気がついた。
皆の前では泣かないってそう思ってたのに、涙が零れて止まらなかった。
苺花達が戻る前に頑張って止めないと…。
そう思ってもなかなか止まらなくて、手でごしごしと目をこする。
「これでも使え。俺は何も見てないから。」
そんな私を見兼ねたのか、泉舞はそう言ってカバンの中からハンカチを取り出した。
「…ありがと。」
その後、苺花とサクが戻ってきて、私は何も無かったみたいに笑って振舞った。
でも、苺花は少し心配そうな顔で私を見ていた。
…やっぱり、あそこにいたのは苺花とサクだったんだ。
少し落ち着くと苺花にあの場を見られたという事で頭がいっぱいになる。
私はみんなの声を遮って
「あー苺花ごめん!あたし帰らなきゃっ。用事出来ちゃって。」
と言って、家に帰ることにした。
車に乗る時、苺花が今にも泣きそうな顔で見てくるから、なんだか自分まで泣きそうになった。
本当のことを言えなくて…そんな顔をさせちゃって…
「ごめんね。」



