「あ、千代子ちゃん!車停めるからちょっと待って。」
駐車場で少し待っていると、たった今来たばかりの車から秋弥が顔を出した。
秋弥から本当のことを聞くんだ。
そう思うと、鼓動がどんどん早くなっていく。
「秋弥!話があるの!」
「…?とりあえず車乗ってから話そ?」
秋弥は不思議そうに私を車に乗せた。
「夏休みに入って初めて会うね。少し焼けた?」
秋弥は何事も無さそうにいつもの笑顔でそう言った。
やっぱりあれは勘違い…?
「夏祭り…。」
「ん?」
「夏祭りの日の用事って…何だったの?」
思い切ってそう聞くと、秋弥の顔がこわばった。そして
「夏祭りの日?…なんで?」
と、秋弥は私から目を逸らし、ははっと笑った。
嫌な予感がした。
「…もしかして、一緒に歩いてた女の人って婚約者なの…?」
私がそう言うと、秋弥は言葉を失ったように黙り込んだ。
なんで…。
なんで黙るの…?
「…何か言ってよ!!」
「ごめん。でも…。」
「でも、何?…なんで謝るの?!」
私がそう言うと、秋弥はまた黙りこくって何も言わない。
どうして…。
私は秋弥を信じてたのに…。
なんでよ…。
「なんでよ!?…あの話は…婚約は破棄したって言ったじゃない!!」
私はこの空気に耐えられず、車を飛び出した。



