「…え、苺花来てないの?」
海へ着くと、サクだけが水着に着替えはしゃいでいた。
「残念だけど、用事が出来たみたいなんだよねー。」
「そうなの…。」
「もしかして昨日の事、まだ気にしてる?」
気づくと、サクが下から私の顔をのぞき込んでいた。
「そ、そんなことないわよ!だって本人からまだ話聞いてないし、落ち込むのはまだ早いじゃない?…それよりも苺花が来ないのが残念なのよ…。」
なんだか昨日の夜以来、苺花に避けられているんじゃないかってそう思った。
…いや、まさかね…。
「………。」
よく考えると泉舞もいない。
約束の時間はとっくに過ぎてるのに…。
もしかして泉舞も来ないの?
「千代、泉舞はもうすぐ来るみたいだし元気だせって。な!」
サクは私の気持ちに気づいたのか、笑顔で優しく、そう言った。
「…そうね。用事が出来たならしょうがないもの。泉舞を待ちましょ!」
そう口では言っても、頭ではそう思えていなかった。
苺花はどうして私を避けてるの?
昨日、私があの場から逃げた理由を知ってる…?
一瞬、好きな人と大事な友達を一気に2人も失ってしまうのではという恐怖が頭を横切る。
焦りのあまり荷物が手から離れる。
カバンからはふみが渡してくれた水着が見えた。
この水着…苺花が選んでくれた水着。
…苺花が私から離れてなんて…そんなことはないよね。
私は苺花が離れていくわけない、きっと勘違いだ、と言い聞かせ、急いで落とした荷物を広った。



