「ところで苺花、足痛いんじゃないか?」
皆が笑って話をしてる中、泉舞ははっと思い出したように、そう言った。
「それなら私ハンカチと絆創膏持ってるわよ。」
私は準備していたハンカチと絆創膏を取り出そうと、カバンに手に入れる。
「あったあった。」
そう言ってハンカチと絆創膏を片手にに顔を上げると、少し向こう側には信じられない光景が目に入ってきた。
一瞬間違えかと思った。
間違えであってほしいと思った。
でも、そこを歩いていたのは紛れもなく、秋弥だった。
「…秋弥。」
今日は用事があると言っていたのに、何故か秋弥の隣には可愛いらしい女の人がいて、訳が分からなかった。
『京極先生は婚約者がいる』
ふとあの噂が頭をよぎった。
そんな訳ない。
そんな訳ないって思ったけど、秋弥があの女の人に向けてた笑顔が頭から離れなくて…。
「…千代。」
サクは私を可哀想な子見ているような目で見てくる。
なんで?私は可哀想じゃない。
だって婚約破棄したって言ってたじゃない。
…言ってたのにどうして…?
「千代…!」
気づくと私はその場から逃げ出していた。



