「ふみ!浴衣着て行ったらダメってどーいうことよ?!」
家を出る少し前、そろそろ浴衣を着ようと準備をしていると
「千代子お嬢様は浴衣を着てはいけません。」
と、その場を通りかかったふみに浴衣を取り上げられてしまった。
「苺花が浴衣着るんだからわたしも着るの!!」
「ダメです。苺花様が着るのは可愛らしくて賛成です。」
「それなら…!」
「ですが、千代子お嬢様が浴衣を着ると、可愛さや綺麗さを通り越して、ナンパやら誘拐やら問題が起きかねません。ですからダメです。」
「…でも…。」
「浴衣ははだけやすく、直ぐに脱がされてしまいますよ。それでもよろしければどうぞ着てください。」
ふみは私の言葉を遮り、真顔でそう言った。
「…それはちょっと。」
私はふみが言ったことを少し想像してしまい、体がゾワゾワした。
「…って時間やばいじゃない!!」
時計を見ると、家を出る数分前になっていた。
私は急いで準備をし、ふみに着なかった服を押し付け、急いで車へ乗り込んだ。
「約束の時間まであと少ししかないから急いで!!」



