あの日、俺は千代を傷つけた先生が許せなくて話を聞きに行ったんだ。
俺が知ってる先生は千代を泣かせるような奴じゃないって知ってたから、とりあえず話だけでもって…。
そしたら、先生さ、最初は振った理由を歳のせいにしたんだ。
「俺と千代子ちゃんの歳は離れすぎてる。」
って…。
その時、俺の知ってる先生からは考えられないようなこと言うから、ついかーっとなっちゃって俺、怒鳴ったんだよ。
「…それだけかよ。そんなことで千代のこと傷付けたのかよ?!」
って。
そしたら先生が少し悲しそうに
「…シュウ君、ここだけの話…してもいいかな?」
って言ったんだ。
ここだけの話なんていうから千代にも教えられなかった。ごめん。
先生さ、
「俺にとって千代子ちゃんは生徒でしかなかった。だけど、頑張ってる千代子ちゃんを見てたら俺も元気もらって辛い事とかいろいろ頑張れたんだ。でも、俺には婚約者もいるし、歳だって離れてて、何よりもきっと千代子ちゃんのお父さんが許してくれない。」
って寂しそうに笑うんだ。
だから俺は
「だったら許してくれるまで頑張ればいいじゃん!」
なんて言ったんだけど、そんな簡単にいくわけもなくて
「俺が傷つくのはいいけど、きっと周りの目のせいで千代子ちゃんが傷つく。それだったらシュウ君みたいに千代子ちゃんを大切にしてくれる人と付き合った方が絶対いい。俺はもう…千代子ちゃんが泣くのを見たくないんだ。」
って先生は俺に千代を託すみたいなことしてそのまんま家庭教師を辞めちゃったんだ。
俺だって千代のこと大切だよ。
大切だけど、千代が本当に求めてるのは先生だから…だから俺は千代にこの話を教えたんだ。
話はここまで。



