ふみとの話が終わると、既に時計の針は12時を回っていた。
「あーもうふみったら、話聞くって言って説教始めるんだから…。」
でも、今日はふみに説教されててよかったかも。
こんな時間だと流石に秋弥も帰ってるよね。
部屋に戻ろうと廊下を歩いていると、部屋から誰かが出てきたのが見えた。
お父さん?…にしては髪色が茶色だし、誰…?
「あ、千代子ちゃん。やっと話し終わったんだね。」
え…。
「…なんで秋弥がいるの。」
「さっきまで久しぶりにシュウ君とお喋りしてたんだ。でも、もう帰るから。」
「サクとお喋り?」
サクと何を話してたの?
サクは小さい頃からよく家に遊びに来ていたからサクと先生が仲良しなのは知ってるけど…。
「それじゃあね。」
「…待って!!」
顔を合わせたくないってそう思ってたのに、こんな時間まで何を話してたのか気になってつい呼び止めてしまった。
「どうしたの?」
振り向いた秋弥の表情はなんだか少し悲しそうで何も聞いてはいけない気がした。
「…あ、やっぱ何でもないです。」
「そっか。それじゃあね。」
その日から秋弥は学校の教師になる準備を始めるため、私の家には来なくなった。



