小さい頃、身代金目当てに誘拐されかけたことがあった。
あの時はたしか秋弥が偶然その場を通りかかり助けてくれた。
でも、今は…きっと助けに来てくれない。
私、『好き』なんて言わなきゃ良かった…。
「おい、優しくしてるからって無視してんじゃねーよ!!」
男はそう言って腕を掴む。
…怖い。怖いよ…。
嫌だ…助けて…。
「…秋弥…。」
「さっさと車乗れよ!!…ってなんだお前。」
え…?
そこにはサクが立っていた。
「離せよ。…離せっつってんだろ!!」
サクはそう叫んで男をねじ伏せる。
「おい千代!ぼーっとしてないで走るぞ!!」
「…え…!」
男が地面に横たわっている隙に、サクが私の腕を引きその場から助けてくれた。



