「……帰りたくないなぁ。」
ため息が出る。
こんなに秋弥と顔を合わせたくないと思ったのは初めてだった。
『…ごめん。』か…。
私はどうしたらいいんだろ。
どうしたら…女の子として見てもらえるの?
それとも今更努力しても遅い?
秋弥と私は『先生』と『生徒』以上にはなることが出来ないの?
辛い現実が立ちはだかる。
家に帰りたくなくて、しばらく家の近くを散歩していると後ろからなんだか気配を感じた。
…秋弥先生が迎えに来てくれた?
一瞬期待したけれど、そんな都合のいいことなんてあるわけがない。
後ろを振り返るとそこには知らない男達が立っていた。
「真嶋財閥のご令嬢、真嶋千代子ちゃん…だよね?」
…誰?
私はこの状況を知っていた。
前にもこんなことがあった。
「…一緒に来てくれないかな^^?」
これは…誘拐だ。



