「ちょっと苺花どうしたの?!」
ただいまも言わず、部屋に直行するあたしをお母さんは心配していた。
「なんでもないよ〜」
今は誰にも会いたくない。
…何も考えたくない。
「…苺花ー。お母さんちょっと買い物行ってくるから。」
「うん。」
目が腫れて重たい。
何も変わらず、ずっと4人でいられるって…そう思ってたのに…。
もう戻れない。
あたしは…ただ…あのままでいられたらそれで…。
ピンポーン
静かな家にチャイムが響き渡る。
お母さん何してるんだろ。
…あ、買い物か。
誰か確認くらいした方がいいかな…。
赤い目をこすりながら階段を降りる。
「…はい。」
「苺花?」
「…千代ちゃん。」
インターホンに出るとそこには珍しく息を切らした千代ちゃんがいた。
「…やっぱりここにいた。少し上がらせてもらっちゃだめかしら?」
…誰にも会いたくなかった。
でも、息を切らしてあたしに会いに来てくれたのがなんだか少し嬉しかった。
「…上がって。」
あたしは玄関へ向かい、重たい扉を開ける。
千代ちゃんはあたしの腫れた目を見ると、
「ありが…って苺花の可愛い目が?!」
なんて言ってあたしに飛びついてきた。
そして、辛かったね、よく1人で頑張ったねって抱きしめて頭をなでてくれた。



