silver wattle.゚・*.



「でもね、京極先生には親が決めた婚約者がいたの。今時そんなの私みたいなご令嬢くらいにしかありえないわよね。」




そう言った千代ちゃんは少し寂しげで遠く見つめた。




「本当なら今頃、先生と婚約者の話は破談になってるはずなのに…なんでかな。夏祭りの時に婚約者とデートしてるの見ちゃったの。それって要はあたしって先生の愛人ってことでしょ?」



「…千代ちゃん。」



「要は私って汚いじゃない!だから言えなかった…。苺花に嫌われたくなかった!」



「千代ちゃん!!」



本当の千代ちゃんは美人でなんでもできるご令嬢なんかじゃなくて、ただただ繊細で泣き虫な女の子だった。



あたしは自分を汚いという千代ちゃんがもう見ていられなくて気づいたら千代ちゃんに抱きついていた。




「…苺花?」




「千代ちゃんは汚くないよ!!…あたし千代ちゃん大好きだよ?それに皆で約束したじゃん。ずっと一緒って!あたしは千代ちゃんから離れていかない。離れろって言われても離れないよ?」



あたしがそう言うと



「…なにそれ、ストーカーじゃない。でも、苺花がストーカーなら全然嬉しいわ」



千代ちゃんはそう言って泣きながらだけど、嬉しそうに笑った。