silver wattle.゚・*.



「さて…どこから話そうかしら。」



あたし達が釣りを始めて数分、千代ちゃんがぽつりぽつりと昔のことを話し始めた。


「私ってさ、周りの人達に伊藤財閥のお嬢様ってことで、成績も良くて、スポーツもそれなりに出来て美人っていうのが普通って思われてるのよね。でもね、こう見えて小さい頃は頭も悪いし、スポーツも出来ないし、駄目駄目だったの。」



たしかに今の千代ちゃんからは想像出来ない。



「そんな私をお父さんは少しずつ見放していった。お父さんだけじゃない。お父さんに続いてお母さん、親戚、学校の先生、皆が私から離れていった。」



そんな過去があるだなんて…信じがたかった。




「でもね、そんな時、家庭教師だった先生が言ってくれたの。千代子は出来る子だ。もし出来ない子だったとしても俺は離れないよ。だから精一杯俺と一緒に頑張ろって。」



そう言った千代ちゃんの顔はとても優しそうで
まるで天使の微笑みでも見てるようだった。



「…もしかして、その先生って…。」



「私の担任の京極先生よ。いいこという先生でしょ?最初は尊敬だったの。でも、少しずつ恋心に変わっていってそのうち付き合うことになったの。」




千代ちゃんはそう言って、少し暗い表情になる。