「2人共飲み物置いてどこ行ってたのよー!」
あたしとサク君が戻ると、千代ちゃんは何もなかったかのように笑顔で言った。
でも、千代ちゃんの目は少し赤くてさっき泣いてたんだなって分かった。
「千代ちゃん…。」
「なあに?」
あたしは先生の事を聞こうと思い、声をかけたけどさっきの千代ちゃんを思い出すとなかなか聞けずにいた。
「さっき…。」
「あー苺花ごめん!あたし帰らなきゃっ。用事出来ちゃって。」
千代ちゃんはあたしの言葉を遮って申し訳なさそうにそう言った。
「あ、そうなんだ。」
サク君もあたしも残念そうに千代ちゃんを見つめる。
「もう2人共。そんな顔しないで〜。」
そう言って千代ちゃんは笑いながら更衣室へと着替えに行った。
そして、戻ってきた千代ちゃんはそそくさと車に乗って帰ってしまった。
千代ちゃんは車に乗る時、
「ごめんね。」
って目を合わせずに切なそうに言った。
まるで何も言えなくてごめんねというみたいにあたしには聞こえた。



