サク君に千代ちゃんと先生が一緒の所を見せちゃいけない。
そう思い、あたしは精一杯早く走った。
「なんでよ!?…あの話は…婚約は破棄したって言ったじゃない!!」
車の近くまで行くと今まで聞いたことのない千代ちゃんの声が聞こえた。
そして、その声と共に千代ちゃんが車のドアをバタンと閉め、こっちへと歩いてくる。
あ、どうしよ…!
「苺花、こっち。」
焦っているとサク君が他の車の陰からあたしを引っ張り込んだ。
「サク君…?!」
「しー。」
突然ことで、しかも思った以上にサク君との距離が近い。
ドキドキしている場合じゃないって分かってるのにどうしても鼓動が早くなって仕方がなかった。
「苺花、そろそろ俺らも戻ろっか。」
そう言ったサク君の表情は暗く、さっきまでどきどきしていた自分がどうしようもなく情けなく感じた。



