体育の先生の話がようやく終わり一斉に

皆コートに向かう。もちろん俺も。

「薮はバスケ上手くていいよなあ」

薮はバスケ部だしかなり上手い。

「えーなにそれ?妬まないで下さーい」

一生懸命俺を見上げてニヤニヤしている

「んだとぉ!」

薮は最初喋んないヤツだったけど慣れると

面白いヤツだった。コイツモテるのに、

人見知りで女子とあんまり話せない。

「あ、まおとえっと 雪ちゃんだ。」

俺は薮を引っ張って2人の元へ走った。

追いつくなりまおの背中を叩いた。

「いったいな!もう!」

軽くのつもりがだいぶ痛かったらしい。

薮が俺の代わりに謝る。するとまおは、

大丈夫だよーとニコニコしている。

絶対コイツ薮の事好きだろ。バレバレ

なんだけど、カマ掛けてみるか。

「何で薮には甘いんだよー!」

と俺がゆうと、

「由詠よりも優しいもーん!」

顔を赤らめて俺にバレない様にソッポを

向く。いや、バレてるけどね?

なーんか、腹立つ。

「んじゃ見とけよ!絶対ゴール決めるか
らな!」

コートに着くなりダッシュでポジション

に付いた。バスケ部じゃないけど運動

神経はだいぶ良い。ふと薮を見ると、

女子達のあつーい視線に怯えていた。

小動物かよ!かーわいッ何て考えてると

ピーッ

試合開始の合図が鳴った。