* ウソツキ *

学校のあるビルを出て徒歩数分。

市営の施設に作られた手作り感のあるお化け屋敷。
夏になると毎年やっていることは知っていたものの、
一緒に行く相手も居なくて、むしろ来ることになるとは夢にも思わなかった場所。

「ねぇ、舞夢…ホントに行くの…??」
「なにー?心暖も怖いの?大丈夫。
廃墟とかじゃないし、人工物!人工物♪」
「いや…人工物だって言われてもこえーよ!
じゃあ、ほら宮田も嫌がってるしさ
黒田と園田ペアで行ってこいよ。俺ら留守番。
な?それでいいだろ?」
「うっ…」うん!って答えるつもりだった…
ただ、舞夢と園田くんが2人になる…となると
ちょっとだけ心がざわつく。
でも、お化け屋敷は怖い…
「でも…3人なら…いいかな??
もっちー、留守番してて」

「あ、でもでも。せっかくなら2人ずつがいいし
よし、もっちー行くよ。心暖は、そのそのと後から来て!」
舞夢が私には小さくウインクする。
どうやら、気を使ったらしい…。

「えっ、ちょっ黒田!?俺、無理だって!!」
抵抗する、もっちーを引っ張り入っていってしまった。