* ウソツキ *

「あっ、心暖、もっちー。
あんた達さ、この後の交流会まで何か予定あんの?」

オーディション終わりの交流会…
とは名ばかりの大人たちの飲み会。
学校の生徒が全員集合する珍しい機会なので、
なんだかんだ、みんなが楽しみにしている年に2回の楽しみ。
自分たちの出番は割と最初の方だったので
交流会までは余裕で3時間ほどあった。

「うーん。特にないかなぁ…」
「俺も。せっかくだし4人でどっか行くか?」
もっちーの思いもよらない誘いに驚いたが
4人。と言うことは園田くんも居る。
こんなチャンス滅多にない。
私は心の中でガッツポーズを決める。
「あ、それいいね!行こ!
ねっ?舞夢とそのそのも。行くでしょ?」

「じゃあさ、この隣にある施設で期間限定で
お化け屋敷やってんの。それ行こーよ!」
「黒田…それまぢで?俺、そう言う系無理なんだけど…」
「何言ってんの。もっちー
あんた男でしょ?大丈夫だって。ほら行くよ!」

珍しく弱気なもっちー。そんなもっちーを引っ張って行く舞夢。
その後を追う園田くん。彼の服の裾を少しだけ引っ張りながら、後を追う私。
変わらない、いつもの光景。
でも、なんだか私には、いつもより輝いて見えていた。