「あのね…私ね」
舞夢に全てを話した。

園田 綾人と言う存在に抱いたモヤモヤする気持ちを。
3ヶ月経ち、持田誠のことは[もっちー]
黒田舞夢のことは[クロちゃん]とあだ名で呼ぶにも関わらず、
未だに私のことは[宮田さん]。
何だかそれだけなのに、舞夢はあだ名なのに…
とちょっぴり拗ねてみたり…

帰り道では、帰る方向が完全に真逆な、
持田と学校で別れ最寄り駅まで3人で帰るのだが駅に着くと路線名が違う私は2人と別れる。
舞夢と2人の時もそうだった。いつもの帰り道。
それでもそこで別れるのが惜しい気がして
少し遠回りになるのに、舞夢や園田と同じ路線に乗ってみたり…

園田が好きだ。と言っていたアーティストの曲を片っ端から聴いてみたり…

バイト中も、あと〇日間頑張れば会える…!
なんて思ってたり…

「心暖…あんたそれ。恋だと思う
そのそのが好きなんだね。心暖は」
「えっ!?」

「自覚なしか…でも、いいと思う。そのその
ただ、すっごく鈍感そう…」
「でもさ、そのそのって恋バナする度に
そうゆうのに興味ないんで。ってキャラだし…」

いつも4人で恋バナする時、
彼はいつも[興味無い]と言って踏み込んでくることを拒否している。
そんな彼に好意を抱いたところで気づいてもらえるのか…。

「でも、いいんじゃないかな。心暖が好きになることは自由だよ?
まずは、もうすぐある学内オーディションの後の懇親会で写真撮る。とかどう?」
「えっ!?いやいや。いいよ、そんな…」
「せっかくだし!ねっ?
私、全力で心暖のこと応援するからさ♪
お姉さんに任せなさーい」

お姉さんと言っても、誕生日4ヶ月違いなだけじゃん…。
それでも、舞夢は人の恋愛事が絡むと凄く頼りになる。

舞夢に話してからは、心なしかスッキリした。
密かに彼を想いながら。それでもいつもと変わらない接し方をして来た…つもりだった。