｢ホントはさ、これだけ女の子に言わせたら
俺がかっこよく言うべきなんだろうけど…
言えねぇや…今は｣
遠くを寂しそうに見つめる彼を見て
私があと1歩踏み込めば…
そう思うのにあと1歩が怖い…
臆病なのは、私も同じなんだ。
｢じゃあさ、もういいから。
1番じゃなくて傍に居させてくれないかな？
友達でもなんでもいい｣
私の口からウソがこぼれる。
ーー傍じゃない、隣がいい…
そこから先はもうお互いの気持ちについて掘り下げなかった。
共通で好きな作品トークで盛り上がった。
｢いい加減、電車乗らなきゃな｣
｢この駅からだと…路線別々だね｣
思ったより歩いていたらしく、
市の中心の大きな駅付近まで歩いてしまったらしい。
｢あのさ、そのその。
メールでもいいから、また答えください｣
｢あぁ、考えておくよ｣
｢じゃあ、私この電車だから…じゃあね｣
笑顔で電車に乗り込む。
